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2012/09/09 (Sun) 朗読会「 前田司郎 × 町田康 」 密度のコントラスト

池袋の東京芸術劇場にて「自作自演 前田司郎 × 町田康」自作の朗読と対談に行ってきた。楽しみにしていて楽しかったからよかった。リニューアル記念の東京福袋。いくつかある袋の中でリーディング袋と云うものでした。

第一部でそれぞれが朗読。
第二部で対談。

今思うと西村賢太×本谷有希子も行けばよかった。


逆に14歳逆に14歳
(2010/02/26)
前田 司郎

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前田司郎は『逆に14歳』から冒頭から途中までを朗読。主人公の一連の思考の流れが唐突に切れて、少し前に気になっていたことをぶり返す文章が人間の複雑な処理能力、とっちらかり具合をよく表していて、そうなんだよなぁと思って、ふむふむと朗読を楽しんだ。この唐突感ぶった切れ感、ぼくは前田氏の作品に初めて触れたのですが、好いなぁと思いました。彼も云っていたが黙読のほうが向いているのかもしれない。そして、折角、演劇をやっているのだら劇作バージョンを聞いてみたかった。というのもこの本には両バージョンが収録されていると言っていたから。
2人の朗読の終了後、本人は町田康氏に完敗と云っていた。


東京飄然東京飄然
(2005/10)
町田 康

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町田康は『東京飄然』から上野アトレでビールを飲むまでの、そして飲んでいる最中の惨劇をいつものテイストで朗読。会場は笑いで包まれた。勿論、前田氏の朗読でも笑いはあった。でも、観客の笑いが町田氏による朗読の方が圧倒的に多かった、前田氏の云う完敗の意味は恐らくだがここにあった。何故町田氏の方が多かったのか。

文章上での気持ちの動きの表現方法の密度の違いかなと思った。町田氏の文章はこれでもかこれでもかと執拗に真剣に突き詰めて自分や他者の心の動きや行動の動機理由を探し、それに対する自分のリアクションを描写し、それが真面目すぎたり、理に適い過ぎるゆえの面白さだ、と思っていて、ぼくには堪らないのですが、その執拗さ真面目さ理屈っぽさ故の密度が前田氏とは異なっていた。前田氏は密度より会話の軽快さ、心の動きの突発さに重きを置いているように思えた。

朗読するとその描写の密度の濃さの伝わり方が町田氏の方が丁度良かった。前田氏は軽妙だった、ということかなぁとぼくなりに考えている。勿論前田氏の小説が軽薄と云っているのではない。せりふ回しの軽妙さ加減は彼が考える深遠さにもとづかなければありえない。この軽妙さ、是非舞台で見て観たい。そして町田氏の文章だって軽妙と云うことだってできる。

ぼくはこの「完敗」、負けてしまったというコメントに引っかかりを覚えた。

今わかった、そうか前田氏も声を出して笑って楽しんでもらいたかったのかと。この二人の朗読会により生み出されるコントラストを目の当たりにするとそう思っちゃうのも無理は無い。ただ声に出して笑わずに、ふうふむと引き込まれるものが前田氏にはあった。

前田氏本人はこれが才能の差であったら怖ろしい、経験の差であったならば今後ぼくはどうしてゆけばいいんだろうと悩んでいた。このお悩みを発端として、対談がスタート。町田氏が「銭」に執着して面白く話をしているのが印象的だった。

前田司郎は確かに「笑い」の量は負けていたけど、この2人による密度のコントラストは朗読会としてとてもよかった。ぼくはまた興味を持てる作家が増えて喜んでいる。
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筒井康隆と町田康が好きです。

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服飾と古本が人生の両輪です。


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